十五夜お月さん


昨夜の 今頃だった。
突然!携帯が鳴った。
まあ。携帯は本来 突然鳴るものだが・・・・。
それは近所に住む弟からだった。
弟「月見たかぁ?」
兄「はあ?」
弟「月よ!月。満月!」
兄「いやあ、見てない。ちゅうか、仲秋の名月は昨日じゃろ?」
弟「月齢からゆーたら、今晩の方が満月に近いんジェイ。おまけに傘被っとる」
   弟は、釣りが趣味で 潮の満ち引き・・ひいては
   
   月の満ち欠けに 詳しいのだ。
兄「ほんなら、写真にでも撮っとこかねや」
弟「ほう思うて、電話したんじゃ」
兄「ほーか、おおきに・・・」
弟「ほんだら、おやすみ」

確かに丸い。
写真では判らないが、周りの輪が若干虹色だ。
天気は下り坂だろうか?
月齢暦を見てみよう。

なるほど、「仲秋の名月」と言われた10月3日の月齢が 14.3。
翌日が 月齢15.3だ。
「仲秋の名月」は旧暦で言う8月15日。
十五夜と満月は必ずしも一致していないのだろうか?
その理由はこうだ。
旧暦の1日は「朔(新月)となる瞬間を含んだ日」なので、
0時0分に朔となる日も、23時59分になる日も同じく「一日」になる。
これを考慮すると旧暦15日の月齢は、最小13.0,最大15.0,平均14.0となる。
実際、十五夜が月齢15.0になる日の方が 少ない。
月の満ち欠けを基準にした、旧暦の15日が
必ずしも満月ではないと言うのは なんだか妙だが
そのくらいアバウトな昔の暦の方が のどかな気もする。
では、中秋の名月は正しい満月の日に行うべきかと言えば、
そうでは無いと考えます。
「中秋の名月」は一種のお祭りですから
厳密に満月であることが必要なのではなくて、
「八月の十五夜の月」として誰でもその日がわかることが重要なのです。
やはり中秋の名月は「十五夜お月様」でなくてはなりませんよね。