この、ノスタルジックカメラシリーズも23台目の紹介になりました。
今回は、先ずケースからご覧下さい。
皮製の立派なケースでしょう。
ケースの正面には、「Anny」と書かれています。
さぞ、立派なカメラが納まっていると思いますよね。
では、カメラを見てみましょう。
一見すると、一眼レフのようですが
三角に飛び出した部分は、ダミーで
そこは素通しのファインダーになって居ます。
ちょっと大きめのコンデジ位の大きさです。
なんだか、ちゃちっぽいカメラだと思いませんか?
実はこれ、ボルタ版というサイズの
昭和30年頃から10年間くらい流行した
入門者向けカメラの 一つです。
当時の販売価格が1500円くらい。。。。
ボルタ版というフィルムは、裏紙付き穴無しフィルムで
背面の窓から、裏紙に印刷された数字を見ながら
フィルムを巻き上げる方式です。
このカメラは、昭和35年製造。
メーカーは豊栄産業。レンズはユタカー50mm F8.
最短撮影距離は2m。焦点は固定式。シャッターはロータリー。
撮影サイズは25mmX36mm。
レンズは単玉と言って、1枚だけのレンズです。
最近の使い捨てカメラなども単玉ですが、
非球面レンズで収差を補正しています。
このカメラは、そのような技術が無かったので
フィルム面を湾曲させて、補正を行っています。
カメラより、ケースの方が高価そうです。
しかし、程度良く残っている物が少ないので
マニアにとってはこのシリーズは集めがいのあるものです。