リザーブタンクのキャップ交換


 

愛車Jeepも13年乗っていると、

いろんなところが、傷んできます。

今回は、冷却水リザーブタンクのキャップを交換します。

 

 

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これが、冷却水リザーブタンク。

真ん中にキャップが備わっています。

このキャップを外して、冷却水の補充をします。

 

このキャップなんですが、蓋の役目だけではなく、

なかなか込み入った仕事をしている大事なものなのです。

 

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奥がこれまで使っていた古いもの。

手前が、新しく購入したものです。

ハンドル部分の形状が改良されていますが、

中のバルブの部分は、基本的に同じです。

 

このキャップは、ただの蓋ではなく、

冷却水の圧力を調整するための

弁を内蔵しているんですよ。

 

全画面キャプチャ 20160905 214926

 

冷却水がエンジンの熱によって温められ膨張すると、

ラジエーター内の圧力が上昇します。

ラジエーター内の圧力が上昇すると

沸点も上昇する(約120℃)ため、

冷却水は100℃になっても沸騰しなくなります。

しかし、ラジエーター内の圧力が上昇しすぎると

冷却水の漏れや、冷却系統が損傷する危険があります。

そのため、ラジエーターキャップの

加圧弁(プレッシャバルブ)

規定圧力以上にならないよう制御しています。

 

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高山に上ったとき、気圧が下がって

水の沸点が下がり、

ご飯が生煮えになるという現象がありますが、

ラジエター水も、圧が上がらないと、

沸点が低くなってオーバーヒートしやすくなります。

 

また、冷却水が冷えたときは、

ラジエター内が負圧にならないように

負圧弁(バキュームバルブ)が開き、

リザーバータンクから冷却水を吸い戻すことで

圧力を調整しています。

 

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今回外した、古いキャップの加圧弁が、

経年劣化でひび割れてしまっています。

 

これでは、圧力が上がらないので沸点が低く、

本来約120℃まで沸騰しないはずが、

100℃で沸騰してしまいます。

 

冷却水が沸騰してしまうと

冷却水内部に気泡が発生します。

気泡いわゆる空気は水よりも冷却効果が低いため

オーバーヒートしやすくなります。

 

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さて、キャップの交換も終わり、

一安心というところです。

 

しかし、外したこの古いキャップ。

なかなか味わいがあるなぁ・・・。

コレクションアイテムとして保存しておこう。