経済高度成長期の真っ只中、
カメラ業界はライカ型35mmカメラが乱立し、
雨後の筍のような状態でした。
そんな中、中堅クラスのレンズシャッターカメラとして
Lordは、1955年に発売されました。
レンズ:HIGHKOR 40mm/F2.8
サイズ:115×78×57mm
シャッター速度:B・1~1/500秒
重量:約610g
距離計連動式、フルマニュアルカメラ。
岡谷光学機械株式会社製。
SEIKOSHA-MXシャッターを搭載。
日本より、欧米で多く売れたカメラです。
従って、距離表示はフィートですよ。
最近のカメラに見慣れてしまうと、
こんな数字だらけのレンズが、
逆に新鮮で、かっこよく見えたりして・・・^^
このカメラは、多くのギミックが隠されていて
マニア心をくすぐりますよ。
例えば、この巻き戻しノブ。
撮影し終わったフィルムを巻き取るんですが、
ちょっと小さすぎると思いませんか?
実はこれ、引っ張り出すようになっていて・・・・
引っ張り出したシャフトが
クランクに変身するんです。
これなら楽に巻き戻せますね。
このシャッターボタン。
最下部に赤いラインが入っています。
フィルムが巻き上げられて、スタンバイ状態の時は
この赤いラインが出ています。
シャッターを切った直後は
沈み込んで、赤いラインは見えないようになっています。
さらに、今では考えられないようなギミック。
底にあるシャフトを引き出すと、
フィルムカッターがスライドして、
フィルムを切断することが出来ます。
フィルムの途中でカットして、暗室で現像して
残りのフィルムはそのまま使うのです。
何百枚も連続して撮影できる、現在のデジカメでは考えられませんが、
フィルム時代は36枚でさえ、一度に使い切らなかったんですね。
ファインダーを覗いて、部屋の景色を見るだけで
レトロな空気を感じられて、
秋の夜長に、弄ぶには丁度いいカメラです。