芥川賞作家であり、前衛芸術家であり、路上観察家である、
赤瀬川原平さんが、11月26日に亡くなられました。
心よりご冥福をお祈りします。
私が赤瀬川原平さんを知ることになったのは、
「トマソン超芸術」が、世に知られるようになって。。。
被写体が芸術なのか、出来上がった写真が芸術なのか、
そんな疑問を持ったから。
そこにあるものを切り取っただけではなく、
切り取り方、記録の仕方にこだわりを感じたんです。
切り取りに使ったカメラの数々を紹介した
赤瀬川原平のカメラコレクション
「中古カメラウイルス図鑑」が、私のバイブルとなりました。
自分がコレクションしているカメラが、
その中で紹介されているということは、
写真の出来を、カメラのせいには出来ないことを知る。
つまり、切り取り側のセンス次第ということ。。。
磨けるものならなんとかして、そのセンスを磨きたいと
強く思うようになりました。
赤瀬川原平さんの、様々なエピソードの中に、
いや、エピソードではなく実際に作品なんですが、
「宇宙の缶詰」というのがあります。
内側にラベルを張った缶々を作り、
それを宇宙全体を梱包したと称するのです。
確かに、密閉された缶の外は全て宇宙ですから、
缶の中を主体とすれば、宇宙を梱包したと言えるというわけです。
さて、路上観察隊を気取って、
トマソン写真でも撮りに行こうかな。
どのカメラを持って行こうか?
赤瀬川原平さんが梱包したまま置いていったこの宇宙に、
ときめく日常風景を探してみます。