愛車Jeepも13年乗っていると、
いろんなところが、傷んできます。
今回は、冷却水リザーブタンクのキャップを交換します。
これが、冷却水リザーブタンク。
真ん中にキャップが備わっています。
このキャップを外して、冷却水の補充をします。
このキャップなんですが、蓋の役目だけではなく、
なかなか込み入った仕事をしている大事なものなのです。
奥がこれまで使っていた古いもの。
手前が、新しく購入したものです。
ハンドル部分の形状が改良されていますが、
中のバルブの部分は、基本的に同じです。
このキャップは、ただの蓋ではなく、
冷却水の圧力を調整するための
弁を内蔵しているんですよ。
冷却水がエンジンの熱によって温められ膨張すると、
ラジエーター内の圧力が上昇します。
ラジエーター内の圧力が上昇すると
沸点も上昇する(約120℃)ため、
冷却水は100℃になっても沸騰しなくなります。
しかし、ラジエーター内の圧力が上昇しすぎると
冷却水の漏れや、冷却系統が損傷する危険があります。
そのため、ラジエーターキャップの
加圧弁(プレッシャバルブ)が
規定圧力以上にならないよう制御しています。
高山に上ったとき、気圧が下がって
水の沸点が下がり、
ご飯が生煮えになるという現象がありますが、
ラジエター水も、圧が上がらないと、
沸点が低くなってオーバーヒートしやすくなります。
また、冷却水が冷えたときは、
ラジエター内が負圧にならないように
負圧弁(バキュームバルブ)が開き、
リザーバータンクから冷却水を吸い戻すことで
圧力を調整しています。
今回外した、古いキャップの加圧弁が、
経年劣化でひび割れてしまっています。
これでは、圧力が上がらないので沸点が低く、
本来約120℃まで沸騰しないはずが、
100℃で沸騰してしまいます。
冷却水が沸騰してしまうと
冷却水内部に気泡が発生します。
気泡いわゆる空気は水よりも冷却効果が低いため
オーバーヒートしやすくなります。
さて、キャップの交換も終わり、
一安心というところです。
しかし、外したこの古いキャップ。
なかなか味わいがあるなぁ・・・。
コレクションアイテムとして保存しておこう。