先日紹介しました、ノスタルジックな建物の店。
その前に停まっている古い車が、
ちょっと気になって、もう一度取材に行ってみました。
もしかしたら、「くろがね四起」じゃないかと・・・。
くろがね四起というのは、1936年から量産された、
日本独自開発の、四輪駆動車です。
アメリカがJeepを量産するよりも7年も前。
すでに、日本は小型のマルチパーパスビークルを
開発、量産していたんですね。
開発したのは、その頃 3輪自動車を作っていた
「くろがね」というメーカー。
今は日産の関連会社になっています。
四駆じゃなくて、四起(よんき)
その当時は、四輪起動と言っていたそうです。
何とも言えない、そのゆる~いシルエット。
完成度高いですよね。
前輪下を覗いてみると、やはりデフがあった。
四駆には間違いない。
その他、なにかヒントは無いかと
車の周りをぐるぐる回って観察。
銘板らしきものは見当たらず、
くろがね四起だという確証は得られません。
後部座席は、中央に一つで三人乗りのようですよ。
バギーのような、アールの付いたドアのライン。
ひじ掛けになる高さなんですね。
インパネを見てみると、
スピードメーターは時速120kmまである。
くろがね四起であるなら、
冷却ファンを持つ強制空冷V型二気筒ガソリンエンジン。
出力は33馬力。
時速120kmは無理でしょう。
ハンドルを見ると、なんとスズキのハンドル。
たぶん、これは後からつけた物でしょうね。
さらに、ヘッドライトを見てみると
KOITO製作所のヘッドライト。
いろいろ、入り混じっていますね。
レストアする中で、こうなってしまったのか?
謎は深まるばかりです。
これは、オダギリ・ジョーとチャン・ドンゴン主演の韓国と日本の合作映画「マイウェイ 12,000kmの真実」のために製作されたスズキジムニー改造のくろがね4起だと思います。ドアのヒンジがジムニーそのまんまですね。結構よく実車の雰囲気を捉えていると思います。映画の中では快調に走り回っていましたが、撮影後はこんなところに保存されていたのですね。