古いカメラを収集していると、副産物として
このようなレンズを手に入れることがあります。
このレンズは、引き伸ばし用レンズです。
フィルムから印画紙に焼き付けるときに、
引き伸ばし機に着けて使うレンズです。
E-Luckyという名前がついていますが
これは、ラッキーという引き伸ばし機についていたもの。
小さなフィルムから、印画紙に引き伸ばす時
鮮明な画像が必要とされるので、
様々な収差が、小さくなるように設計されています。
そして。絞りはご覧の様に、ほぼ円形。
緻密な制度を持ったレンズですので
これをカメラに装着できると良いなあと、
単純に思うのです。。。。。が、しかし・・・・
このレンズは、ピントを合わせる機構を持っていません。
引き伸ばしの時は、印画紙との距離でピントを合わせる。
というより、離れると大きく引き伸ばし、
近いと小さな画像を結ぶという仕組み。。
カメラに装着するためには、ヘリコイドという
ピント合わせをする機構が必要になります。
近接撮影用の、べローズをレンズとカメラの間に入れて
その伸縮でピントを合わすという方法が考えられますが
このレンズの焦点距離とフランジバックの関係で
べローズでは長すぎて、無限遠のピントが合いません。
接写用のリングアダプタを挟むという方法もあります。
しかし、これも焦点調節は出来ないので
リングアダプタの厚みを変えながら、
カメラを前後させてピント合わせをすることになります。
テーブルフォトならこれでも使えそうですが、
用途はかなり限定的。。。。
古いレンズシャッターカメラのヘリコイドを外して
流用するという手がありますが、
そうなると、取り付けのネジ径などがややこしい。
おまけに、カメラ側のマウントアダプタのことも悩ましい。
こうして、珠玉のレンズを眺めながら
頭を悩ますのも、まあ、
楽しみっちゃあ楽しみなんですが・・・。