こちらで一緒に仕事をしている、地元の仕事仲間が、
お父上が使っていたものだと、
カメラシステム一式、持ってきてくださいました。
立派な、専用ケースに入っていますよ。
このケースだけでも値打ちがあります。
本革で、かっちりとした縫製の純正ケースです。
中身は、アサヒペンタックスSPのフルシステム。
カメラ本体。
標準レンズの、スーパータクマー50mm、f=1.4。
広角レンズの、スーパータクマー35mm、f=3.5、フード付き。
望遠レンズの、スーパータクマー135mm、f=3.5、フード付き。
純正スピードライト、AC100V対応、ガイドナンバー16。
どれも、専用の革ケースに入っています。
その他、レリーズや、Y2フィルターなども入っていますよ。
先ずは、ペンタックスSP本体を見てみましょう。
このカメラは、世界初のTTL測光を採用したカメラです。
メーカーは、スポットマチックと謳っていますが、
実際は、平均測光です。
1964年、東京オリンピックの年に発売されたカメラですよ。
HD電池と言う、もう廃版になった水銀電池を使って
Cd-Sで測光するシステムですが、
この手のカメラで、一番やられるのが電池室。
水銀電池を入れっぱなしにして、液漏れし、
周辺部を腐食させてしまうというものです。
電池はちゃんと撤去済み。
錆なども見当たりませんでした。
電池は、今現在売られているLR41が流用できますが
電池の径が小さいので、塩ビパイプを輪切りにして
アダプターを自作する必要があります。
これは、四国に帰ってからやってみたいと思います。
さて、続いてシャッターのチェックをしてみます。
巻き上げレバーは、スムーズに動きますよ。
先ず、30分の1で、シャッターを切ってみてガバナーの音を聞きます。
ミラーやシャッター幕の動いた後に、
かすかにジ~コンコンと振り子の惰性音が聞こえます。
さて、1秒でシャッターを切ってみる。
「おじぃ~ちゃん!」というリズムでちょうど1秒。
2分の1秒は「おばちゃん!」。
シャッター速度の、大きな狂いもなさそうです。
ファインダーを覗いてみても、埃などは無く
クリアーに見えています。
レンズを外して、ミラーの部分を見ると、
ミラーが跳ね上がった時に、クッションになる
モルトというスポンジが、経年劣化で粘って溶けかけています。
これは、仕方ない。
いずれ、きれいに拭き取って、新しいものを貼りましょう。
F1.4という大口径が、まさに珠玉の輝きを見せています。
このペンタックスSPの時代は、レンズとカメラの取り付けが
スクリュウマウントと言って 42mmのネジになっています。
そのネジに、レンズを3周半回転させて固定します。
ニコンやキャノン、ミノルタなどは、バヨネットマウントといって
1/4回転ほどで固定できるのに比べると
スピーディーさに欠けますね。
しかし、当時のライカなどの海外トップメーカーは
この42mmスクリューマウントを採用していたので
それらの優秀なレンズを使うことが出来るわけです。
とりあえず、今夜はこの辺で・・・。
もう少し、隅々まで観察してみます。
そして、またゆっくりご紹介いたしましょう・・・^^